二冊で一冊?

どういうわけか続きものなのにその表示のない本が時々あります。そういう本の片方だけ見つけたときのショックときたら…。ということで、思いついた中でそういう本の紹介をしてみました。

藤沢恒夫『そんな筈がない』『青髭殺人事件』

 
『そんな筈がない』  『青髭殺人事件』
昭和32年7月10日  昭和34年3月5日
講談社  講談社

この二冊はシリーズ物であるということが全く表示されてないのがややこしいところ。私は「青髭」から読み始めたのでシリーズ物だと気がついたけれど、巻末広告だけではどれが前の作品かは分からなくて困った。だって、他にも作品(非ミステリらしい)が刊行されていて、タイトルもそれっぽい感じなものが多いんだもの。まぁ、一冊ずつ読んでもそれほど支障はきたさなかったからいいけどね。

なお、元本は『康子は推理する』(桃源社)だそうですが、あいにくこちらは持っておりません(涙)

ダフネ・デュ・モオリア『メアリ・アンその結婚』『メアリ・アンその復讐』

 
『メアリ・アンその結婚』  『メアリ・アンその復讐』
昭和31年8月15日  昭和31年8月31日
新潮社  新潮社

「メアリ・アン」という作品を前後篇に分けて、なぜかそれぞれタイトルをつけたもの。

これも表紙には前後編の記載がないので、「結婚」を一通り読むか、「復讐」のあたまを見るかしないと分からないというのが泣かせてくれる。

私も「結婚」だけ見つけてから続きがあるのを知り、ショックを受けた。(運良く、「復讐」はすぐに見つかったけど) おそらく、どちらかしか持ってなくて泣いてる人も結構いるのでは。復刊するときはぜひ一冊にまとめてほしいものだと思っている。

小門勝二『妖麗千一夜』『乳房卍』『恐怖の乳房』

    
『妖麗千一夜  『乳房卍』 『恐怖の乳房』
昭和22年2月15日  昭和22年10月10日 昭和24年12月15日
日本文化社  日本文化社 文化堂

『妖麗千一夜』は犯罪実話の短編集なのだが、どういうわけか、その中の一遍が『乳房卍』の発端となっている。なお、『乳房卍』は探偵小説だということなので、はたしてどこからか実話なのか虚構なのか読んでる側としては戸惑うしかない。しかも、あまり変わらぬ時期に別名義でかつ改題までして同じ作品を出しなおしているし。まあ、ここら辺はいろいろと事情があったのだろうが、それにしてもややこしいことをしたもんだ。しかも、この作品、実はこうした事柄のほう面白かったりするが。